
ネットサーフィンをしていると、老後資金を作るために資金運用をせよという論調が目立っていることに気づきます。
セミリタイヤなどのブログでは特に「住宅」はお金を生み出さないから負債としてあつかう「金融」中心の意見が正論としてまかり通っていたり、びっくりさせられます。
そんなこと言ったら、食事だってカロリーやビタミン計算だけでそれ以外は無駄とする「金融」中心のメニューだってありそうなのに、さすがはそこまでいう人はいません。しかし、食費がかかりすぎて無駄という会計上の価値観の押し付けはよく目にします。
住宅だって、世の中、お金だけではないよ、と自宅を保有してだれにも文句を言われずに好き勝手にのんびり過ごすということと、賃貸で十分という人とは相容れない心理上の見えない壁があることに気づいていないところが、「金融」中心の意見の傲慢さなのだと思われます。
さて、老後資金なのですが、すでに老後を手に入れてしまった人は、老後資金をどう扱えば良いでしょうか。
このブログの初回でも書きましたが、当ブログは「お金の増やし方」などは書きません(書けません)。すでに手元にある「老後資金」が不足していれば、働くなり、投機で稼ぐなり、ご自分で活路を見つけてください。
ここでは、多いか少ないかは別として、すでに手元にある「老後資金」について、さらに「運用せよ」の大合唱を断ち切るために、書かれた記事を紹介したいと思います。
「「普通預金は損」のウソ 経済ジャーナリスト・荻原博子さんに聞く」 デイリー新潮 9/21(木) 6:10配信
「投資なんか、おやめなさい」 荻原博子著 新潮新書 2017/09/15
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・銀行にお金を預けても10万円預けても利息1円
・普通預金はATM手数料を除いて目減りすることはない タダの金庫
・デフレの中では「目減りしないメリット」のほうが大きい
(日銀が「デフレ脱却宣言」をするまでは、デフレは続いています)
・「投資」では金融機関に手数料を取られるぶんだけ目減りする確率のほうが高くなります
荻原博子氏は同じ新潮新書で、1年半前に「10年後破綻する人、幸福な人」を出版しており、デイリー新潮は、おなじような紹介記事を掲載しています。
「10年後破綻する人」はどんな人か 経済ジャーナリスト・荻原博子さんに聞く「10年後破綻する人、幸福な人」 荻原博子著 新潮新書 2016/1/15
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個人のレベルで、何をすれば生活を防衛できるのでしょうか
・デフレが続くにせよインフレが来るにせよ、今、しておくべきは「借金を減らす」ということです。
・私は1997年に経済破綻した韓国を取材したことがあります。その時、もっとも生活に打撃を受けたのは、住宅や株を持っていた「持てる人」たちでした。最も儲けたのは現金を預金していた人たちです。
・安心な老後を迎えるためには、投資信託などをコツコツ買い続けるよりも、借金を減らし、現金でコツコツ貯めておくことが、地味なようでも一番効果的です。
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つまり、私みたいな素人は、老後資金を普通預金に預けておくのが一番、ということです。
我が家の老後資金は、幾つかの銀行に分散して預けていますが、地元のメイン銀行にはなお半分程度の資金を預けいれていますので、銀行の窓口に行くたびに執拗な投資の勧誘を受けるかもしれません。
ただ、萩原さんも、投資を全面否定している訳ではなく、「株などの投資も、『資金に余裕がある方ならば』、少しやっておくことは悪くないでしょう。
ただ、あくまでも余裕資金があれば勉強のつもりでやる、というくらいのほうがいいのではないでしょうか。」と無難な言い回しをしています。
私も株式投資の口座は持っていますし、10年来の株も保有していますが、金融資産に占める割合はごくわずか。
なにせ、10年前には一時期株価が1/3まで下落し、長い年月の放置でアベノミクス以来回復した経験があるので、私には株の才能はないと結論するとともに、お遊びで配当金と株主優待を消化している程度です。
いま、所有している株がまた暴落しても、また10年待てば良いと考えるくらいの余裕があれば、投資は維持できます。
地元の銀行では、国債や地方債を保有しているため、窓口に行くと様々な勧誘を受けますが、『投資は別の証券会社でやっているから』と言い訳すると、それ以上の追求はありません。お遊び程度の株式口座が勧誘からの『免罪符』にもなっています。
地元銀行では、係りの人との付き合いで地元銀行系列の証券会社のNISA口座まで作らされましたが、点数稼ぎに協力する意味で、はなから取引はしないよ、作るまでならという条件で作ったものです。ここでも、『免罪符』はまだ生きています。
こうして、我が家の普通預金は守られています。
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