8. 自分の家計簿データによるリタイヤ時の収支バランスの推計(2)
- 2017/04/29
- 13:54
(3) 年金生活時の収入(見込み)
さて、前回、自分の家計簿データに基づきリタイヤ時の支出を推定しました。また、収入については、公的年金の受給額については「年金受給額はいつわかる?」に書いたようにわかっています。これに加えて、退職時にわかったのですが、就職時に毎月3000円払い込んでいた個人年金保険があり、年金として年間13.4万円(2014年から15年間)受け取ることにしました。したがって、私の65歳以降(リタイヤ)の収入は、公的年金(厚生年金、厚生年金基金)259万円、個人年金13.4万円で、合計272万円(月22.7万円)です。

また、そのとき差し引かれる税(所得税、地方税)・社会保健費(国保・介護保険など)は、年35.8万円(月3.0万円)(国税3.9万円、県市民税8.4万円、国保介護23.0万円、あれ?計算合わないが)。
したがって、可処分所得(実質の収入)は年236.2万円(月19.7万円)と予想されます。
(4) 年金生活時の収支バランス

収支バランスは、収入(所得税、住民税、社会保険料を除く可処分所得)は月19.7万円、非消費支出(所得税、住民税、社会保険料)を除く支出月20.4万円で、計算上ほぼゼロ(-0.7万円)*。
*注)月-0.7万円は、全体の3〜4%ですので誤差の範囲。もし無理して計算すれば15年間で126万円の赤字。15年以後、個人年金がなくなるので、収入は月18.6万円、赤字額は-1.8万円へと増加し、後の10年間、216万円の赤字、結局25年で342万円の赤字ですが、計算上はゴミです。
すなわち、収支バランスは取れている、今の生活を維持する限り何も変更する必要ない、このままの暮らしを続けてよい、-->リスクを考えなければ「老後の資金は不要」、「遊んで暮らしてください」 という結論に達しました。
(5) リスクに備える
ネット上で話題になる、「老後資金」の大部分は、不足する年金収入の穴埋めに使う資金のことですが、これにプラスして、リタイヤ後必要となる臨時費用として「自宅に住み続けるためのリフォーム費用や車の買い換え、突発的な医療費、年金の減額など」があり、1000万円程度必要という意見がありました。
この臨時費用のうち、「突発的な医療費」、「年金の減額」は予期せぬリスクへの備えであり、「突発的な医療費」は保険でカバーできるもの、「年金の減額」は収支バランスの取れている人なら少々の減額には節約で対応できるし、社会問題化するほどの大きな減額があるとすればそれは国家財政を揺るがす戦争・騒乱の事態が起きたときで個人的な貯蓄で対応できるような内容とは考え難いので考える必要はないと思います。
残る「リフォーム費用」や「車の買い換え」は後に述べる「ゆとりの老後生活」における「耐久消費財買い替え」に相当するかもしれません。これは次項で議論します。
リスクは夫婦2人の生活費用だけでなく、その家庭環境にも左右されます。老後破綻の3大要素プラスワンは、次の通り。
1)住宅ローン (リタイヤ時点でまだ完済してない場合)
2)教育費 (まだ修学途上の子を扶養している)
3)介護費(別々の暮らしをしていた親の介護をはじめる)、子の出戻り、子家族の同居、
就職難民ひきこもり等で扶養家族が増え、支出が増える
4)夫婦どちらかが亡くなった後の生活費(単身になった時の年金や老後資金の残額)。
このうち、1)、2)は事前に分かっていることなので、老後の収支バランスを計算するときにこの要素を考慮し、別途、十分な資金を準備するか、できない場合は「生涯現役」を選択する必要もありましょう。4)は事前に収支バランスを計算し「単身でも大丈夫」という確信を得ておけば安心です。3)の扶養親族の増加などは計画外で資金計画の破綻の引き金となるようです。そのとき考えるしかないかも。
我が家では、現在、唯一2)が該当していますが、別途十分な資金を準備して老後生活には影響ないようにしたつもりです。将来、3)に該当する可能性もありますが、それはそのときに考えればよいこと。
(6) 暮らしに必要な「ゆとり」の老後資金
ネット上で「夫婦がゆとりある老後の生活を送るためには月平均36万円必要」とかよく登場しますが、これはアンケート調査における希望額の集計にすぎません。


平成25年度「生活保障に関する調査」(速報版)生命保険文化センターより
ゆとりの定義は、「老後のゆとりのための上乗せ額の使途」の調査結果の首位の項目から大半の人が「旅行やレジャー」、「趣味や教養」と認識しており、以下「日常生活費の充実」、「身内とのつきあい」、「耐久消費財買い替え」、「子供や孫への資金援助」と続くことがわかります。
ひとそれぞれ希望する「ゆとり」は違うのですが、年金収入と普段の暮らしの支出の収支バランスが取れている人であれば、自分の家の「普段の暮らし」の中には生活の中でのガス抜きに使われる適度の「遊び」として、夫や妻の「小遣い」、習い事、趣味、の費用など、「少しのゆとり」は含まれていることになります。
家計上の「基本的な生活」部分とそれを超えた「ぜいたくな部分」の線引きは主観的なので一言では言い表せないのですが、これは贅沢だとかそうでないとかの主義主張が無い人でも、家計簿のデータにはその人の行動の結果が反映されているので、いつもの支出と違う特別な出費が「ゆとり」の費用ということになります。
その意味で、年金収入と普段の暮らしの支出の収支バランスが取れている人であれば、「趣味や教養」、「身内とのつきあい」、「日常生活費の充実」等は「基本的な生活」部分に含まれていると考えてよいでしょう。
ということは、基本的な生活で貯金を取り崩さずに生活できるひとは、今ある貯金は、「旅行やレジャー」、「耐久消費財買い替え」、「子供や孫への資金援助」にだけ当てればよいことになります。(老後資金の臨時費用としての「リフォーム費用」や「車の買い換え」は「耐久消費財買い替え」として支出。)持てる財産はこれらに当てることが可能です。すきなだけ旅行やレジャーに行きましょう。もし、お金を使わなかったら、全て遺産として子供や孫へ残るでしょう。
どうしても、「ゆとりの資金」の数字が知りたい方には、日本標準の目安としては、老後の生活のための上乗せ額(夫婦のゆとり35.4万円-基本27万円=8.4万円月)から、年間約100万円、65歳から20年間を想定しても2000万円という勘定になります。我が家の老後資金は内緒です。
次回は、家計簿により家計統計を作る話をしましょう。
[おまけ]火曜日の晩はユーミンのコンサートを楽しみました。また木曜日の晩は飲み会で大いに生活のリズムが乱れ、更新せぬままゴールデンウィークに入りました。良い天気なのに昼間室内でこれを書いているのはなんとなく体に毒のような気がします。
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